嫌われる勇気

嫌われる勇気

『嫌われる勇気』は一言で言うと、「アドラー心理学のわかりやすい解説書」です。

アドラーは、元々精神科医でした。患者の治療をしたり、目に見えない心について考えたりしていくなかで自身の考えをまとめたものがアドラー心理学です。

 

ある時、アドラーはひとつの結論にたどり着きます。それは「全ての悩みの原因は対人関係である」ということです。そしてその悩みの解決方法が『嫌われる勇気』であるとしています。

 

『嫌われる勇気』は、一方的に語りかけるような内容の書籍ではありません。アドラー心理学を修得している哲人と、悩みを抱える青年との対話が描かれています。

その対話を追いかけているうちに、読者はアドラー心理学の真理に迫ることができるのです。



プロローグ

劣等感にとらわれ悩みを抱えている青年は、街のはずれに「世界はシンプルであり、人は今日からでも幸せになれる」と説く哲人が居ることを知り、その持論を撤回させるために書斎を訪れる。


第一夜 原因論ではなく目的論

過去 現在 未来

結果の前には、原因が存在する。哲人はアドラー心理学をもって、この「原因論」を強く否定します。代わりに、過去の原因ではなく今の目的によって人は行動する、という「目的論」を唱えます。

 

具体例を出すと、「いじめをうけたから、部屋に引きこもる」というのが原因論。「誰かに心配してほしいから、引きこもる」というのが目的論です。

 

考え方を変えるだけで、過去の経験の捉え方が変わってきます。原因を気にするのではなく、目的に気持ちを向ける考え方にしようというのが、アドラー心理学の目指すところなのです。



第二夜 全ての悩みは対人関係

対人関係

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と、アドラーは言います。お金や病気についての悩みの場合は関係ないのでは?と思う人もいるでしょう。青年も哲人に向けて、大きく反発します。

 

たとえば、宇宙のなかにただひとりだった場合、お金はただの紙切れと化してしまいますし、病気になった場合、生きていくことすらできなくなってしまいます。

 

裏を返せば、人との関係性によって、行動や感情が変化するということでもあるのです。いわゆる年収や幸せについての悩みも、他人がいてこそ成立するものであるということから、「全ての悩みは対人関係にある」としています。



第三夜 自分と他者の課題を分離する

課題の分離

アドラーは、対人関係のトラブルに遭遇した時「誰の課題であるか」を考える必要があるといいます。「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考え、課題を分離していくのです。

 

たとえば、「その人との結婚は許しませんよ!」という親がいたとします。結婚するか決めるのは子自身です。親は子の課題に入り込んできたことになります。親の言葉に対して「なんでそんなこというの!」と子が怒ったとします。それは子が親の課題に入り込んだことになります。心配するかは親の課題であるためです。

 

課題を分離することは、難しいことかもしれません。しかし、自分も他者も成長するには必要なことです。「課題の分離」は、画期的な対人関係のトラブル解決策だといえます。



第四夜 対人関係のゴールは共同体感覚

共同体感覚

アドラーは、先程の「課題の分離」を対人関係のスタートとし、ゴールは「共同体感覚」だとしています。共同体感覚とは、「他者を仲間だと見なし、そこに「自分の居場所がある」と感じられること」です。共同体の中で他者貢献できていると感じることで、自分は価値があると思うことができるのです。

 

他者貢献というと、ボランティアや仕事などで何か大きなことを成し遂げなければならないと感じる人もいるでしょう。しかしアドラーは「自分のことを「行為」レベルで考えず、まずは「存在」のレベルで受け入れていく」という考え方をしています。

 

ここが非常に興味深く、対人関係において考え方が大きく変わるポイントの一つです。今まで無意識にしていた自分と他者の位置付けが覆るかもしれません。



第五夜 人生の意味はなにか

人生の道と光

青年は、哲人と議論を重ねていくうちに、人生の意味はなんだろうと考えはじめます。 質問を投げかけると、「一般的な人生の意味はない」という衝撃の答えが返ってきました。

 

この答えには続きがあります。「人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ」と。

わたしたちは、たった今から変わることができます。過去も未来も関係なく、今をどう生きるか。どんな意味を持って生きるかは、自分で決めることができます。

 

あとは一歩を踏み出す勇気を持っているかどうか。

東京行動クラブのイベントを、あなたが踏み出すきっかけにして頂ければ幸いです。